囚人の名前がついたオーストラリアビール James Squire

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HOP THIEF(ホップどろぼう) ONE FIFTY LASHES(鞭打ち150回) THE SWINDLER(ぺてん師)

 

オーストラリアのビールというとVBやクーパーズが有名ですが、クラフトビールにも面白いものがあります。たとえば、囚人の名前がついたシドニー生まれのビール James Squire。このブランドで一番人気があるビールの名前は ONE FIFTY LASHES (鞭打ち150回)です。どうしてこんな名前になったのでしょうか。

 

イギリスの流刑地だったオーストラリア。1788年に最初の植民船団がシドニー湾に到着しました。最初の入植者数には諸説ありますが、その半数ほどが囚人だったようです。当然、植民地では囚人が大活躍。特にシドニーの歴史的な建造物は囚人が建てたものも多く、ずいぶん器用な人がいたものだと感心します。その植民船団のなかに、オーストラリアで初めてビールの醸造に成功したJames Squireもいました。

 

オーストラリアの囚人を語る時「そんなに悪いことをした人達ではなかった」という一言がつくことがあります。実際に囚人の中には、貧しさから食べ物を盗んだり、悪い人に騙されて罪を押し付けられたりした結果、オーストラリアに送られてしまった人も多かったようです。今まで私は、James Squireもそういう人なのかなと思っていました。でも、生い立ちを読んでみたら、この人は本物の悪党でした。

 

ビール造りをすることで、厳しい人生を乗り切った悪党の生い立ちが面白かったので、ざっくりと年表にしてみます。

 

1754  イギリスのキングストン・アポン・テムズで生まれる

1774 路上強盗で捕まり、アメリカへ流刑7年を言い渡されるが、軍隊に入ることにより刑を逃れる。当時20歳。

1776 軍隊に入って2年後、キングストン・アポン・テムズに戻る。幼馴染と結婚する(のちに3人の子供をもうける)。路上強盗団や密輸業者が泊まるHeathen Streetという宿を経営する。

1784 近所の庭から5羽のめんどりと、4羽のおんどりを盗んで捕まる。当時30歳。

1785 懲役2年となり、イギリスのサウスウォーク刑務所で刑期を過ごす。その後なぜか、オーストラリアへ最初の植民船団の一員として送られてしまう。

1787 イギリスを出発。

1788 オーストラリアNSW州のポートジャクソン(シドニー湾)に到着。

1789 病院の売店からコショウとマルバハッカを盗み捕まる。妊娠中の恋人に渡すためだったと嘘をつく。実はオーストラリアについてからずっとビールの密造をしていた。

1789 すでに役人にもビールのファンがいたので、通常よりも軽い刑で済む。5ポンドの罰金と鞭打ち300回の刑を言い渡されるが、記録に「鞭打ち150回。残りは後日。」と記録されていることから、それで赦されたと思われる。ビールの密造が功を奏す。

1791 新しい恋人ができる(のちに7人の子供をもうける)。

1795 7月22日。自由の身となり土地を手に入れる。この頃、イギリスからホップと醸造の器具が輸入されるようになる。

1805 オーストラリアで初めてのホップ栽培に成功。NSW州総督も大喜び。James Squireは、オーストラリア初の醸造家となる。

1806 シドニー湾と開拓地パラマタの間、Kissing Pointに醸造所がつくられる。そこにMalting Shovel Tavern(居酒屋)を開く。シドニー湾から川を通ってパラマタへ物資輸送する船が、途中で休憩できる絶好のロケーションだった。

1822 67歳没 植民地で今までにないほど盛大な葬儀が執り行われる。

参考:The incredible (and true) story of James Squire

  

www.jamessquire.com.au

生い立ちを読むと、ビールに物騒な名前がついた理由がわかりますね。

ほかにもTHE CHANCER(得になるならどんな機会でも利用する人、賭けに出る人)、THE CONSTABLE(巡査)、FOUR WIVES(4人の妻)など、変わった名前のビールがあります。

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シドニーのCamperdownにあるMalt Shovel Brewery

 シドニーで生まれた James Squireですが、今では各地にレストランを兼ねたブリューハウスがあります。取り扱いがあるボトルショップ(酒屋)や、パブも増えたので、オーストラリアに来れば、他のオージービールと同様、気軽に楽しめるはずです。

シドニーにある醸造所、Malt Shovel Brewery は非公開ですが、年に一度 、Sydney Beer Weekの時だけ工場見学ツアーが実施されています。毎年大人気らしいですよ。

Sydney Beer Weekの間は、シドニーのあちこちで、クラフトビールに関するイベントやショーケース、とにかくビールを楽しく飲もう!という集まりが開かれています。

2017年のSydney Beer Weekは 10月20日~29日です。

sydneybeerweek.com.au

 

 

メジャーなオーストラリアビールは、Amazonでも手に入るようです。

でもJames Squireは見つかりませんでした。こちらに来ないとダメかな。

まぁ、オーストラリアの青空の下でビールを飲むのは格別ですからね。来て。

オーストラリア飲み比べ3種6本セット

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オーストラリアのKOMBUCHAブーム。でもなぜ紅茶キノコがコンブチャなの?

オーストラリアでは健康に気を使う人が増え、糖分の多いソフトドリンクの売り上げが年々落ちています。そこで飲料メーカーが注目しているのがKOMBUCHA。

5月上旬に開かれた、オーストラリアでコカ・コーラを販売するコカ・コーラアマティル社の年次会議では、ソフトドリンクの売り上げが伸び悩む中、チーフエグゼクティブのアリソン・ワトキンス氏が、KOMBUCHAなど体によい飲み物への期待をほのめかしました。近い将来、大手メーカー製のKOMBUCHAが生まれるのかもしれません。

 

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アメリカのブームを受けて、オーストラリアでも大人気のKOMBUCHA

大手飲料メーカーも注目のKOMBUCHA、どれくらい売れているのでしょうか?

オーストラリアでKOMBUCHAを作るRemedy Kombuchaのエメット・コンドン氏は、オーストラリアにはKOMBUCHAの醸造所が30~40ほどあり、その数は週単位で増えていると新聞社の取材に答えています

また、オーストラリア最大(コンドン氏曰く)のKOMBUCHAメーカーRemedyでは、一週間の生産量が150,000本以上。全国約4000か所のカフェ、スーパー、ハンバーガーチェーン、ドラッグストアなどで販売されているそうです。

価格は750mlで7ドル(580円)、330mlで4ドル(330円)程度と安くはありませんが、シドニーでもオーガニックフードを扱うようなスーパーやカフェで、よく見かけます。

KOMBUCHAの味は...。酢?

オーストラリアでは、フルーツフレーバーで微炭酸のKOMBUCHAが人気。私も何種類か試してみましたが、正直に言うと、そんなにおいしいものではないような...(個人の感想です)。リンゴ酢のようなアップルフレーバーが一番飲みやすかったような気がします。健康のために飲み続けるというなら、青汁とかウィートグラスジュースよりは前向きに飲めるかな...。

流行りものには乗っておけ精神で、機会があれば試してみてください。

紅茶キノコなのにコンブチャと呼ばれる理由ー最初の人が間違えた!?

ところで、紅茶キノコなのに、海外では、なぜコンブチャという間違った名前で広まってしまったのでしょうか?その答えは、英語の語源がまとめてあるThe American Heritage Dictionaryにありました。

 

www.ahdictionary.com

kom·bu·cha 
A lightly sparkling beverage made by fermenting black or green tea and sugar with a culture of various bacteria and yeasts.

[Probably from Japanese kombucha, tea made from kombu (the Japanese word perhaps being used by English speakers to designate fermented tea due to confusion or because the thick gelatinous film produced by the kombucha culture was thought to resemble seaweed) : kombu, kombu; see KOMBU + cha, tea; see CHANOYU.]

コンブチャ:紅茶または緑茶に、微生物とイーストを培養したものと砂糖を加えて作る微発泡性の飲み物

語源は、おそらく日本語の昆布茶。昆布のお茶。(英語の話者が混乱して間違えたか、KOMBUCHAを培養した時にできるゼラチン状の厚い膜が海藻に似ているので、コンブチャという言葉が使われたと思われる)

 

紅茶キノコをアメリカに伝えた人が間違えた可能性が高そうですが、コンブチャって英語でも発音しやすいみたいだし、コウチャキノコよりは、よかったのではないでしょうか。ね?

 

 

コンブチャワンダードリンク4缶セット (4フレーバー各1缶ずつ)

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逆さま傘 Suprella Pro 。傘はよかったけど会社は適当だった。

インターネットでよく目にするようになったSuprella Pro。裏返しに開くため、畳んでも傘の濡れた面が自分に触れません。

この傘について一度検索すれば、Facebookをはじめインターネットのあちこちで広告を目にすることになります。動画やgifもあって、SNSを使ったマーケティングがお上手ですね。私もつい買ってしまいました。(私は公式サイトから購入しました)

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買ってよかったところ

1.確かに傘を畳んだときに自分が濡れません

車のなかに置いておくのにパーフェクトな傘だと思います。持ち歩くには若干かさばりますが、傘を畳んでも洋服が濡れずにすむのは嬉しいです。

 

2.青空のデザインが気分を明るくします
青空のデザインが気に入って、デザインが入っていないものより少し高いプレミアムを買いました。薄暗い雨の日も気分が明るくなります。

 

3.サイズが大きめで頑丈なつくりなので、風が強い時でもカバー力があります
たぶん、日本の一般的な傘よりも大きめで少し重いと思います。オーストラリアの傘と比べたら、ちょうどいいサイズ&重さ。暴風雨でも裏返りませんでした。 

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イマイチだったところ

1.ドイツのスタートアップ企業と謳っていますが、中国から届きます
日本だけでなく他の国のAmazonレビューや公式Facebookにも「ニセモノではないか?」というコメントが書き込まれています。でも公式サイトから買っても中国から届きます。おそらく中国製です。ドイツから送られてくると思っているとがっかりしますね。

2.製品にブランドのロゴが入っていないので「他で買ったほうが安いんじゃない?」と思わせます
私が購入した青空デザインの傘には、ブランドのロゴがどこにも入っていませんでした。公式サイトに掲載されている写真の傘にはロゴが入っているので、購入者が「ニセモノではないか?」と思っても仕方ありませんね。

公式サイトを見るとBtoBの取引もしているようなので、Amazonに出ている非常によく似た安めの傘が同じ商品でないとは言い切れません。オーストラリアにはAmazonがないので、私の場合は公式サイトから買うのがベストでしたが、日本にいたらどこで買っていたかな?とは考えました。 

3.発送がめちゃめちゃ遅い。そして間違える
発注したのが11月18日。到着日が12月29日。申し込み時点で4週間から6週間かかるという案内があったので「ドイツもオーストラリアと同じようにのんびりしているのだろう。」と早く受け取ることは期待していませんでした。

しかし季節はクリスマス。公式Facebookには「プレゼント用に購入したのに間に合わない。」というコメントが殺到。しかも、このドイツのスタートアップ企業は、そのような状況にもかかわらず、12月初旬に「今注文をすれば、通常4~6週間かかる発送をクリスマスに間に合わせます!」という謎のキャンペーンを始めました。

「いやいや、それより10月に注文した人の商品を先に送ってあげなよ...」と思っていたら言わんこっちゃない。

クリスマスに間に合わなかった。f:id:sanny-yoshikawa:20170218135354p:plain

「ここからクリスマスカードをダウンロードして、実物の傘の代わりにプレゼントとして渡してね。」という小学生のようなメールでみんな納得したのでしょうか。


そして年も明けようかという頃、ついに私の傘が届きました。f:id:sanny-yoshikawa:20170218131356j:plain
頼んでないのに2つも。

なんだかドジっ子を持つお母さんのような気分になって、カスタマーサービスに傘が余分に届いたことを伝えました。「ありがとう。どうすればいいか決まったら連絡します。」と返事が来てから約半月。

余分な傘を受けとったのは、私だけじゃなかったらしい。

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どうやら発送手配ミスだったようです。傘を余分に受け取った人は「破格値のUS20ドルで引き取る」または「後日お知らせする返送先住所に返品する」のどちらかが選べます。US20ドルで引き取れって調子よすぎるだろw

郵便局にわざわざ行くのも面倒ですが「私がお前のミスのために無駄な買い物をするのは納得がいかない」と思ったので返品を希望しました。買いとって誰かにあげてもいいかなーとは、ちょっと思ったんですが。


というわけで、どこに返品するのか送り先の連絡を待っているところです。オーストラリアから中国かドイツへ。どちらにしても一本だけ傘を送るのには品物以上のコストがかかりそうですね。

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ドイツのスタートアップ企業。学生が集まって、アワアワしながら運営してるような会社なのかなと想像すると、まぁ可愛いかと思います。でもこれで、この道のベテランだったらびっくりするな。

 

ちなみに、公式サイトから商品を購入するとアフェリエイトプログラム(30日間)に参加できます。そのコミッション率もメールには10%と書いてあるのに、プラットフォームには15%と書いてあって適当。実際はどうなのかわかりません。

でも、SNSを使ったマーケティングにかなり力を入れていることだけは確かなようですね。

SuprellaPro - The ORIGINAL! Invention 2016

 

ツイートを自動消滅させるサービスを使い始めました

しばらく前から「一定期間を経過したツイートが自動消滅したらいいのに」と思っていたのですが、まさに私の望み通りのことができそうな無料サービスを見つけたので使ってみました。

 

tweet DELETE

設定した期間を過ぎたツイートが全て自動で消えます。(一度に3200ツイートまで)

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日本語には対応していませんが、Twitterアカウントでサインインするだけで簡単に設定できます。 

 

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1週間から1年間まで、ツイート自動消滅までの設定期間が選べます。私は3か月を選びました。

 

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【ここで注意】

赤字の部分は「スケジュールを開始する前に、現在タイムラインにあるツイートを全て消去する」という意味です。

すなわち、ここにチェックを入れると今までのツイートが全部(3200件まで)消えてしまいます。

 

その下の2つは「自分のタイムラインにTweetDeleteを使い始めたという宣伝ツイートをする」と「@Tweet_Deleteのツイッターアカウントをフォローする」という確認。チェックを入れなくても利用可能です。

 

Activate TweetDeleteを押せば、設定完了。 

私の今日のツイートは、93日後に消滅します。(多分)